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2023.01.16

太陽光発電の初期費用が必要ない?PPAモデルの基礎知識を徹底解説

脱炭素社会を目指す現代では、再生可能エネルギーである太陽光発電の必要性が高まってきています。太陽光発電を導入するためには、設備費や工事費を用意することになりますが、近年では初期費用が必要ない「PPAモデル」が注目を集めています。

ここでは、PPAモデルの基礎知識を解説していきます。PPAモデルのメリットとデメリットを把握して、太陽光発電導入の選択肢の1つとして検討していきましょう。

PPAモデルとは?

PPAモデルの「PPA」とは、Power Purchase Agreement(電力購入契約)の略称です。太陽光発電の設置業者(PPA事業者)が電力消費者の建物の屋根や敷地などに太陽光発電を設置し、契約期間の間はPPA事業者が保守・運用していくというモデルです。建物の屋根や敷地などに太陽光発電を設置した電力消費者は、使用した電気利用料をPPA事業者に支払います。
 

PPAモデルが注目された経緯

PPAモデルが注目されるようになったのは、2015年に合意された「パリ協定」が大きく影響しています。パリ協定とは、温室効果ガス削減に関する国際的取り決めを話し合う「国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)」で合意された協定です。
 
パリ協定以後、世界では脱炭素社会への取り組みが加速していき、ビジネスにも影響が及ぶことになります。Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)のそれぞれの頭文字をとったESG投資の動きが拡大していき、太陽光発電設備がより注目を集めていきます。
脱炭素社会の実現に向けて太陽光発電の導入が進む中、設備費や工事費の負担を抑える方法として、PPAモデルが誕生しました。
 

PPAモデルのメリット

PPAモデルについて理解するためには、まずどのようなメリットが考えられるのかを把握しておきましょう。ここでは、初期費用・電気料金・メンテナンス・BCP対策という4項目に関するPPAモデルのメリットを紹介します。
 

初期費用が必要ない

太陽光発電設備を導入する際は、設備の購入や設置費用について考える必要があります。しかし、PPAモデルの場合は太陽光発電設備の初期費用が必要ありません。初期費用の用意が必要ないため、リスクを感じづらい状態で太陽光発電を導入可能です。
 
電気代を支払う先がPPA事業者に変わるというだけで、特別な費用がかかるというわけではなく、初期段階では不安要素の少ないモデルだといえます。

電気料金を抑える

電力会社から購入している電気料金と比較して、太陽光発電からの電気料金の方が安くなる場合は、支払う電気料金を抑えることが可能です。しかし、設置の条件によっては価格が引き下がらないこともあります。
 

メンテナンスするのはPPA事業者

保守・運用に関してもPPA事業者が担うため、太陽光発電設置後のメンテナンスに気を配る必要がないのもメリットの1つです。太陽光発電は、設置後に定期的なメンテナンスやメンテナンス料金が必要になることがあります。
 
PPAモデルで設置した場合は、契約期間中はメンテナンスのことを考える必要がないので、気軽に設置しやすいといえます。
 

BCP対策になる

太陽光発電を導入するということはBCP対策になります。BCP対策とは「事業継続計画」を意味しており、企業が地震や台風などで非常事態になった際に、事業継続・早期復旧していくための方法を決めていきます。
 
非常時に電気を供給できるというのは重要なポイントで、事業継続や早期復旧を実現するために欠かせないものです。非常時に停電が起きた場合も、太陽光発電で発電して電気を供給することが可能です。
 

PPAモデルのデメリット

PPAモデルを検討する際は、どのようなデメリットが考えられるのかも把握しておくことが大切です。ここでは、PPAモデルのデメリットを4つ紹介します。メリットとデメリットを比較して、PPAモデルを検討していきましょう。

長期的な契約期間

PPA事業者との電力購入契約の期間は15~20年といった長期的なものになり、契約期間内は太陽光発電設備の所有者はPPA事業者となっています。よって、契約期間内にパネルの処分や交換を勝手に実行することはできません。
 
太陽光発電設備を設置する建物の建て替えやリフォームを検討している場合は、PPAモデルの導入に慎重になる必要があります。
 

契約終了後はメンテナンスが必要

PPA事業者との電力購入契約が終了した後は、太陽光発電設備の所有権が移るため、設備のメンテナンス等は自己負担となります。電力購入契約の終了後のメンテナンスについては、PPA事業者によって異なってくるため、事前に確認しておくようにしましょう。

自社所有と比較して利益が少ない

太陽光発電設備を自社で所有している場合と比較して、PPAモデルは利益が少なくなると考えられます。太陽光発電を自家消費型として導入していると、発電した電気に対して料金が発生することはありませんが、PPAモデルは使用した電気量の料金を支払う必要があります。

導入には条件・審査がある

PPAモデルは誰でもどこでも導入できるというわけではなく、条件や審査があります。PPA事業者としては採算が取れるかどうかは重要なポイントで、太陽光発電の設置場所や経営状態を考慮してPPAモデルを検討することになります。
 

PPAモデルとリースの違いは?

太陽光発電のリースは、PPAモデルと似た部分があります。リースはPPAモデルと同様に、初期費用や維持管理費用が必要ありません。PPAモデルとリースの違いは、リースは余った電力を自由に売電することが可能で、PPAモデルは自由に売電できません。
 
また、PPAモデルには、資産計上せずに再生可能エネルギー由来の電力を調達可能という特徴があります。PPAモデルとリース、自社での購入、太陽光発電の導入方法それぞれにメリット・デメリットがあり、比較して選ぶことが重要です。
 

太陽光発電の可能性を広げるPPAモデル!!

PPAモデルの基礎知識や、メリット・デメリットについて解説してきました。PPAモデルの登場は、今後の太陽光発電の普及に大きく影響してくると考えられます。これから太陽光発電の導入を検討していく場合は、PPAモデルも選択肢の1つに加えてみてはいかがでしょうか。