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2022.09.01

脱炭素社会・カーボンニュートラルとは?

脱炭素社会・カーボンニュートラルとは?

 
2020年10月の臨時国会で、菅義偉内閣総理大臣は2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、カーボンニュートラルという言葉が注目を集めています。カーボンニュートラルとは、どうしても二酸化炭素などの温室効果ガスの排出で削減しきれなかった分を、森林保全活動や植林による吸収量を差し引いて、排出量を実質ゼロにする取り組みです。
 
 
脱炭素とは実質排出量をゼロにした状態を指し、それを実現した社会が脱炭素社会です。温室効果ガスの排出を完全にゼロにすることは現実的に困難なため「実質ゼロ」を目指すという形で世界各国が動いています。
 

世界各国が脱炭素社会を目指す理由

 
世界各国が脱炭素社会を目指す理由は、地球環境を守るためです。2015年の第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP21)で合意されたパリ協定にて「世界の平均気温上昇を、産業革命以前に比べて2度より充分低く保ち、1.5度におさえる努力をする」「21世紀後半には温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」という目標が掲げられました。
 
温室効果ガスの排出の増加が地球温暖化の要因の1つと考えられているため、排出量を実質ゼロにするということが地球を守ることにつながります。パリ協定は190以上もの国と地域が参加しており、脱炭素社会は世界共通で目指すべき方向となっています。
 

カーボンニュートラルを目指す日本の取り組みを紹介

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、日本全体でさまざまなことに取り組んでいます。ここでは、カーボンニュートラルを目指す取り組みを紹介します。
 

CO2排出量実質ゼロに取り組むゼロカーボンシティ

 
ゼロカーボンシティとは、2050年までにCO2排出量実質ゼロを表明する自治体のことを指します。東京都・大阪府・横浜市・札幌市・沖縄県など、数多くの自治体が宣言しており、排出量実質ゼロに向けて着実に動き出しています。
 
自治体にとってゼロカーボンシティは、二酸化炭素の排出量を減少させるだけではなく、地域経済を活性化させ、再生可能エネルギーの導入によって産業や雇用を生み出すことが可能です。電力会社の設立や電気自動車の普及など、各自治体でさまざまな取り組みが実行されています。
 

脱炭素社会に役立つ商品を選ぶCOOL CHOICE

 
COOL CHOICEとは、2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度比で26%削減するという目標を達成するための政策の1つです。脱炭素社会に貢献する製品やサービスなど、地球温暖化防止に役立つあらゆる賢い選択を促すのが目的です。
 
エコカーやエコ家電を購入すること、クールビズを選択するなど、さまざまな選択肢が考えられます。2030年までの温室効果ガス排出量26%削減という目標を達成するため、家庭部門では約4割削減を目指しています。
 

エネルギーミックスの推奨

 
エネルギーミックスとは、複数の発電方法を併用して電気を供給する方法です。日本において推奨されているのは「3E+S」をベースにしたエネルギーミックスです。3E+Sというのは「安全性(Safety)」が大前提で「エネルギーの安定供給(Energy Security)」「経済性(Economic Efficiency)」「環境(Environment)」を両立させるという考え方です。
 
日本の環境下では、クリーンエネルギーのみで供給するのは困難であり、火力発電などでカバーする方向でエネルギーミックスを進めています。
 

カーボンプライシングの検討

 
カーボンプライシングとは、排出される二酸化炭素に価格を付けて、排出した企業や法人に課税などを設定する取り組みです。炭素税・排出量取引・クレジット取引・国境調整措置の4種類に分類されます。
 
炭素税は排出量に比例して課税する制度、排出量取引は企業のCO2排出量にあらかじめ上限を設定し、上限を超えた場合は罰金を払います。超過しそうな企業は、他企業から排出量を購入できるのもポイントです。
 
クレジット取引はCO2削減価値を証書化し、炭素削減価値を取引します。国境調整措置は、輸出入品の製造過程で発生したCO2排出量によって課税や減免を設定する仕組みです。
 

ゼロカーボン・ドライブで車も脱炭素へ

 
ゼロカーボン・ドライブは通称「ゼロドラ」と呼ばれており、再生可能エネルギーで発電した電力と電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)を活用したドライブを指します。
 
家庭や企業など、ゼロカーボン・ドライブは車を所有するさまざまな場面でカーボンニュートラルに貢献することができます。
 

持続可能にするためのサステナブルファッション

 
近年はファッションに関してもエコが推奨されており、サステナブルファッションという言葉が注目されています。サステナブルファッションとは、衣服を生産し着用、その後の廃棄までのプロセスにおいて将来にわたり持続可能であることを目指した取り組みです。
 
リサイクルや環境に配慮された素材を使用している、環境に配慮した工程で作られている、さらには生産する人々の労働環境の健全さなど、服作りにおいてさまざまな実践例があります。
 
また、消費者としてサステナブルファッションを実践するなら、サステナブルに配慮した商品を購入、長く愛用できる商品を選択するなどといった方法が考えられます。
 

脱炭素のカギを握る再生可能エネルギーの導入

 
2050年のカーボンニュートラルを実現するために、再生可能エネルギーがどれだけ普及していくのかは重要なポイントです。再生可能エネルギーの中でも、近年大きな注目を集めているのが太陽光発電システムです。
 
太陽光を利用して発電する仕組みのため、枯渇することのないクリーンなエネルギーであり、非常時は蓄電池と併用することで非常用電源としても活用できます。カーボンニュートラル実現に貢献するために、太陽光発電システムの導入を検討することも選択肢の1つとなっています。
 

脱炭素社会に向けた取り組みはさまざま!

 
脱炭素社会に向けた取り組みを紹介してきましたが、大規模な政策から個人で実行できる取り組みまでさまざまです。地球環境を守るためには、今後あらゆる分野で脱炭素を意識した選択が求められるでしょう。