• お役立ち情報
  • 太陽光発電設備

2022.09.06

電気はどのようにして生み出される?太陽光発電の仕組みを簡単解説

再生可能エネルギーとして注目される太陽光発電の特徴

太陽光発電は太陽の光がエネルギー源となっているため、枯渇する恐れのないエネルギーとして注目されています。また、火力発電のように燃料を燃やすことがないので、発電時にCO2を排出しないというのも特徴です。
 
一方で、天候や地域によって日射量は異なり、発電量は天気に影響されるということを把握しておく必要があります。近年は地球温暖化が問題となっており、太陽光発電は化石燃料に代わる再生可能エネルギーとして普及が加速しつつあります。
 

太陽光発電の周辺機器の役割を紹介

太陽光発電の仕組みを理解するためには、周辺機器の役割を把握することが大切です。ここでは、太陽光発電の仕組みを理解するために知っておきたい5つの周辺機器の役割を紹介します。
 

太陽光で発電する「太陽光パネル」

太陽光パネルは、太陽光発電システムを代表する機器となっています。太陽光パネルはシリコンなどの半導体で作られ、セル・モジュール・アレイの3つから構成されています。太陽の光を電力に変換するのが特徴です。
 

直流を交流に変換する「パワーコンディショナー」

パワーコンディショナーは、太陽光パネルで発電した直流電力を一般的に使用できる交流電力に変換する機器として設置されます。パワーコンディショナーが電気を変換する際、100%で変換できるわけではなく、一定の変換ロスが生まれます。変換効率の高さはメーカーによって異なり、変換効率が100%に近いほど電気を無駄なく生み出すことが可能です。
 
また、多くのパワーコンディショナーは、非常時の停電に備えた自立運転機能を搭載しています。自立運転機能が搭載されていることで、1500W以内の家電製品であれば、停電時でも太陽光パネルの発電した電気を使用することができます。
 

電気を分配する「分電盤」

分電盤は太陽光発電システムで発電した電力を、家庭の各配線に分配するために設置されます。電気を分配するだけではなく、漏電や電気の使い過ぎをチェックするという役割もあります。
 
また、分電盤は余った電力を逆流させることが可能なので、太陽光発電で売電を考えている場合は必要不可欠です。
 

売電メーターやスマートメーターといった「電力量計」

太陽光発電システムを導入する際は、売電メーターや買電メーター、スマートメーターなど、取り付けた電路の電力量を計量する電力量計(メーター)を設置する必要があります。買電メーターは電力会社から買った電気を計量し、売電メーターは電力会社に売った電気を計量する役割です。
 
また、近年は通信機能のついたスマートメーターの導入が進んでいます。スマートメーターは、契約者がスマートフォンアプリなどで電気使用状況を簡単にチェックすることが可能で、引っ越しの際の電気手続きをネット上で完了できるといった特徴があります。
 
スマートメーターには売電メーターと買電メーター両方の機能を備えたものがあり、売電・買電の両メーターを設置せず、スマートメーターのみで済むのもメリットです。
 

電気の流れが見える「モニター」

太陽光発電システムの周辺機器として導入されるモニターは、現在の発電量・売電量・使用量をチェックすることが可能です。モニターの操作方法はシンプルなものが多いため、気軽に太陽光発電の詳細な情報を確認することができます。
 

太陽電池で電気を生み出す仕組みとは?

シリコンなどの半導体で作られた太陽光パネルに太陽の光があたることで、電気が発生します。ここで発生した電気は直流ですが、パワーコンディショナーを使うことで一般的に使用できる交流電力に変換することが可能です。
 
・太陽電池の半導体は、n型半導体とp型半導体という2種類の半導体で作られています。太陽光が当たることで、n型半導体にマイナスの電子、p型半導体にプラスの正孔が集まります。これを利用し、それぞれの電極をつなぐことで電気を生み出すことができます。
 
 

太陽光発電システムを設置できる場所

太陽光発電システムを導入する際、まずは太陽光パネルを設置する場所を確保しなければなりません。太陽光パネルを設置できる場所は、住宅や工場などの屋根、パネルを数多く設置できる土地などが考えられます。
 
設置する土地を選ぶ際には「海から近い場所は塩害のリスクがあるため避ける」「周囲に日差しを遮るものがない」「土砂崩れのリスクを避けるために地盤が強い土地を選ぶ」など、注意するべきポイントをチェックして選ぶことが大切です。
 

太陽光発電の売電の仕組み

太陽光発電システムの導入を検討する際、売電について把握しておくことは重要です。売電と一言でいっても、余剰買取・全量買取という2種類が存在しています。ここでは、余剰買取と全量買取、売電しない完全自家消費について解説していきます。
 

太陽光発電の余剰買取とは?

余剰買取の場合、太陽光発電システムの発電量を自家消費し、余った電気のみを電力会社が買い取ります。自家消費分が少なくなるほど余剰電力が増えるため、節電や省エネを意識するきっかけにもなります。
 

太陽光発電の全量買取とは?

全量買取の場合、太陽光発電システムの発電量の全てを電力会社が買い取ります。発電した電力を全て売却するため、売電収入が高くなるのが魅力です。
 

FITに頼らない「完全自家消費」という選択

近年では、FITに頼らない太陽光発電が注目されています。FIT(固定価格買取制度)とは2012年7月に導入された制度で、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で一定期間買い取ることが定められています。FITが導入されたのは、再生可能エネルギーの普及が目的です。
 
しかし、FITの買取価格が下がったことや2020年度から低圧のFITの全量買取がなくなったこと、電気代の高騰やBCP(事業継続計画)対策の普及などによって、太陽光発電の全量自家消費という選択が注目を集めています。
 
全量買取は売電収入が魅力的な一方で、売電価格の下落と電気代の高騰を考慮すると、全量自家消費が経済的にプラスになるということも考えられます。これから太陽光発電システムの導入を検討する場合は、完全自家消費という選択肢を加えてみましょう。
 

太陽光発電システムの今後にも注目!

太陽光発電システムの導入を考えている場合は、どのような機器が必要になり、どのように発電するのかを把握することで、導入後のイメージが沸きやすくなります。また、制度や価格が変化することもあるため、今後の太陽光発電を取り巻く環境に注目していきましょう。